- 作詞:bagband
- 作曲:bagband
- 編曲:bagband
2017年6月3日(土曜日)晴れ
白い雲のおはなし
白い雲のおはなし
人と目が合ったら
本当の雲になって
彼女は消えてしまう
そう親から聞いていた
*
その雲は白く長く
青い空に伸びている
実は空に棲む白い竜
最後の竜
さっき見た一筋の道
夕日に染まる赤いリボン
思い煩うことなく
話し合える誰かはどこにも居ない
行き場なく歩く彼が
見上げている白い雲
夕日のまだ届かない
青い空に伸びる
さっき振り返り見た夕日
圧倒的な光の束
思い煩うことなく
話し合える誰かが居たら良いのに
彼女は彼が見つめているなんて
気付かなくて
彼は彼女が竜だなんて
気付かなくて
*
翌日の夕暮れはにわか雨
傘持たぬ彼は
黒い雲の下
ぽつり降る雨に濡れる
空を仰いで目を移すと
向こう側に仄明るい光
こことは違う白い雲 でも
どれだけ歩けば着けるだろうか
珍しさ失せた彼女
残る寂しさ抱えながら
雨雲を避けるだけ
ただ空を彷徨ってる
地を這う視線進めると
向こう側に歩く人ひとり
反射的にその身が竦む でも
いつまで耐えれば良いのだろうか
ああ いま目が合えば
わたし消えてしまう
彼は彼女を見つめ
彼女は彼を見つめ
**
青いシーツのベッドで
裸の彼女が目を覚ます
白い肌に汗の雫
見つめる目の記憶だけ
***
ああ 空を見ていたんだ
無邪気な彼が話す
作り話聞きながら
白い肌の彼女が微笑む